ローコスト住宅の注文住宅について
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■ ローコスト住宅とは
ローコスト住宅とはその名の通りコストを抑えて建築する住宅となります。単純なイメージでは安い住宅となりますが、実際には単に安いだけという事ではないかと思います。ローコストという言葉だけでいうとどちらかと言えばネガティブなイメージになるかもしれませんが、無駄なコストを省いて優先したい部分にコストをかける住宅と言えます。
またローコストの理由には企業のブランディングや企業努力の表れとなる部分も多いので、単純に安かろう悪かろうというわけではありません。どの部分にコストが使われているのかという配分と企業の考え方として捉えていく方が良いのかもしれません。そういった意味でもローコスト住宅は、予算の限られたなかで家を建てたい方にぴったりな住宅と言えます。
では実際にローコスト住宅と通常の住宅コストではどの程度の差があるのでしょうか?
言葉の定義として、もちろんはっきりとした価格の線引きはありません。とはいえ、一般的な相場の差というものはあります。
住宅購入を検討した人であれば一度は耳にする坪単価。坪単価とは1坪当たりの建築価格となり、合計の本体価格を床面積の坪数(1坪は約3.3㎡)で割った価格となります。通常、住宅を建築する坪単価は、50~60万となります。比較してローコスト住宅の坪単価は30~50万と費用が抑えられている特徴があります。
実際に坪単価30万円の家と50万円の家ではどの位のコスト差になるのでしょうか?全国の建築される住宅の平均床面積は129.3㎡となります。坪数にするとおよそ39坪になります。仮に39坪の住宅を建てた場合の差はこのようになります。
坪単価30万の場合 1,170万円
坪単価50万の場合 1,950万円
このようにかなり大きな差になります。もちろん30万という坪単価はローコスト住宅のなかでもかなり低コストな部類になりますので、差だけを見るとこれだけ大きくなってしまいます。ひとつの目安として考えてもらえると良いでしょう。こうして出来る差によって、土地が高額な場合、家具にお金をかけたい場合、その他の生活や趣味にお金を掛けたい場合など、コストを捻出する事が可能になるかと思います。
■ ローコスト住宅のメリットとは
ローコスト住宅の最大のメリットは、やはりコスト(価格)となります。住宅にかける費用を抑える事が出来る為、様々な家(設備やデザイン)を持ちたいというニーズをかなえる事が出来ます。
・検討している住みたい土地が高額な場合
・家具やこだわりのある部分にお金をかけたい
・その他の生活や車等の趣味にお金を掛けたい
・今後、子供や仕事の関係でライフスタイルが大きく変わる可能性がある
・子供が独立し夫婦ふたりの生活になり、これからはシンプルに暮らしたい
住宅の建築費用が生活の全てではありません。満足な生活をするなかで予算を抑えて快適な家を持ちたい。そんな方にローコスト住宅はぴったりと言える住宅です。
■ 「ローコストが実現される」4つ仕組み
いくら安く家が建てられると言っても、安かろう悪かろうでは安心して住むことは難しいです。ローコストで住宅を建てられる理由が単純な安普請等の無理な理由で安くなっているというのは怖いものですよね。もちろんそういった理由で安くなっているハウスメーカーや工務店はあると思います。ですが、一般的にローコスト住宅といわれる住宅が安い理由はほとんどの場合この4つとなります。
① 材料費を抑えている
② 人件費を抑えている
③ 広告費を抑えている
④ 住宅の形状でコストを抑えている
①材料費を抑える事でローコストを実現する
これは仕入れの仕方の工夫となります。ローコスト住宅となる商品は、ある程度商品が規格化されている事が多く、その為仕入を行う資材を限定出来る事で価格を抑えます。またスケールメリットを生かし発注価格を抑える事で全体の価格を抑えています。
②人件費を抑える事でローコストを実現する
これはもちろんスタッフを薄給で働かせるという事ではありません。先程もあった通り、ローコスト住宅という商品はある程度の規格化がされている場合が多く、発注から家が建つまでの様々なタイミングで仕組化している事で、販売、設計、建築にかかる工数を削減しそれぞれに発生するコストを抑えています。
③広告費を抑えてローコストを実現する
広告費については、テレビCMなどの大々的な広告をせず費用の削減をしています。逆に言えばテレビCMを大々的に行っているハウスメーカーなどは、広告料が販売価格にそのまま含まれていると考えて良いと思います。
④住宅の形状でローコストを実現する
ローコスト住宅は一般的に部屋数を少なくすることで壁、ドア、照明、コンセントの数を減らしたりと、コストカットを行っていきます。また外観もシンプルに面積を外壁や屋根の面積を小さくする事で、高額な外装コストをカットしています。
ローコスト住宅を得意とする会社は、コストを抑えるノウハウを多数持っています。その積み重ねが品質を損なわないローコスト住宅の実現になっています。
■ 一般的なローコスト住宅の注意点・デメリット
ここまでローコスト住宅の良いところを書いてきましたが、デメリットはどこにあるのでしょうか?
一般的にはしっかりした考え、方針でローコスト住宅を提供しているハウスメーカーには、理解した上で検討する場合のデメリットはほとんどありません。しかし安かろう悪かろうの工務店も中には存在していると思います。その点には注意が必要となります。
①プランが限られている場合がある
前記の理由からローコスト住宅は間取りや建具を何通りかから選んでいくセミオーダーに近い規格住宅の場合が多く、ある程度のプランが決まっているので、自由に間取りや建具をとことんこだわりたい人には不便に感じる事があります。もちろん自由設計でローコスト住宅が叶うハウスメーカー、工務店もありますので、よく確認をした方が良いでしょう。
②耐久性・耐震性・遮音性が優れていない場合がある
ローコスト住宅には耐久性・耐震性・遮音性が特別優れているとは言えない場合があります。建築基準法に則って基準を満たしている住宅にはかわりませんが、高性能住宅と比べるとどうしても劣る部分があります。安かろう悪かろうにならないよう、こちらも確認が大切かと思います。
③初期設備のグレードが低い
キッチン、浴室、トイレ、設備はそれぞれにグレードが多くあります。全てをハイグレードにしてしまうともちろん高額になります。ローコスト住宅では、初期の設備設定のグレードが低い事が多いです。設備についても確認をしておくと、こだわっている部分で妥協をしなくても良いという事になると思います。
④保証期間が短い場合がある
家に限らず多くのメーカーは保証をコストと考えます。その為、商品価格に保証でかかる金額を上乗せしている企業も多いです。ローコスト住宅を扱うメーカーも保証期間が数年と短い場合もありますので、契約時にその会社の保証期間をしっかり確認しておくと安心です。
■ ローコスト住宅を建築するポイント
せっかくコストを重視して住宅を作るなら、できるだけ費用を抑えて建築をしたいというのが理想ですよね。グレードを落とす事でコストダウンする方法ももちろんありますが、間取りや外観に気を配ったり、補助金等の申請をしっかりする事で費用を抑えることもできます。
コストを抑える方法についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、こちらの記事もご確認ください。
購入の際に利用できる補助金や税制を確認する
高額な金額となる住宅には、国や行政が行う補助金が多く存在します。該当する条件等もありますので、しっかり調べておく事が大切です。
間取りをシンプルにして部屋数を減らす
シンプルな外観と間取りにする事で、室内の壁の量や、外壁、屋根等、建材のなかで高額な部類に入る材料を抑える事が出来ます。
水周りを集中した場所に作る
水周りを集中する事で、配管もシンプルに短くなるので費用も抑えられます。一階と二階でも水周りを近くする事で同様に費用を抑えることができます。
こだわる部分とのメリハリが大切
こだわりたいは妥協せず、それ以外とのメリハリをつけることが大切です。長く生活をするマイホーム、こだわりたい部分は大切にする事をオススメします。コストを抑えながらこだわりを実現する方法を一緒に考えてもらいましょう。
■ ローコスト住宅のまとめ
ローコスト住宅とは単純に住宅の建築費用が安いというわけではないと思います。その家の平均的な建築コスト相場に対して、コストパフォーマンスが高い家という意味が強いと思います。つまり3,000万円のローコスト住宅もあれば、1,000万円のローコスト住宅もあるという事です。
これは建てたい家の規模やグレード、家に対する考え方、ハウスメーカー・工務店の方針によって大きく変わってくる部分かと思います。しっかりとした確認と知識が必要になるかと思います。