水回りのリフォームを行うタイミングは大きく分けて3つあります。
トイレ、バス、洗面所、キッチンの4ヶ所それぞれの状況を確認したうえで故障や経年劣化によりリフォームや交換が必要になったとき。
2つ目はこれまで使っていた設備・機器に不便を感じるようになったり、家庭環境の変化で水回りの環境そのものを変更する必要が出たとき。最新の設備の導入やバリアフリー環境の導入などが例として挙げられます。
3つ目は複数の場所を同時にリフォームを行うとき。例えばバスをリフォームするから洗面所も一緒にリフォームする、といった形です。
必ずしも経年劣化や故障だけがリフォームのタイミングになるわけではないことをまず知っておきたいところです。
お風呂の場合、浴槽やタイルにひび割れが生じた場合はリフォームを検討しましょう。ヒビから水が住宅内に入り込んで腐食などの問題を起こしてしまう恐れがあるからです。また浴室の入口部分のフローリングが傷んで踏んだ時に柔らかい感触になっている場合もリフォームのよいタイミングとなります。
キッチンの場合、水回りの設備そのものの劣化・損傷と、壁の汚れなど周囲の環境の劣化という2つの状態がポイントになってきます。
設備の劣化に関しては実はあまり気にならないことが多く、周囲の環境の劣化や環境変化によるリフォームのほうが多い傾向が見られます。蛇口の水漏れ、排水溝の臭い、あるいはガスコンロの汚れなどは補修や交換がしやすいので、リフォームするまでもなく対処できることが多いからです。そのためこうした部分にプラスして壁の汚れや収納の問題、キッチンのタイプを変えたいといった理由を踏まえた上で適切なリフォームの環境を判断する必要があります。シンク下に汚れや臭いなども重要なチェックポイントとなるでしょう。
洗面所の場合、頑丈な設備が多いのでそれほどリフォームの必要を感じる機会が少なく、バスと一緒に行うケースが多くなるかもしれません。チェックポイントとしては洗面ボールにひび割れなどの損傷を起こしていないか、洗面台の下の収納スペースにカビなどの問題を抱えていないかといったところでしょう。
トイレの場合、故障や劣化が直接の原因でリフォームに踏み切ることが多いのが特徴です。水漏れはもちろん、便座の故障など交換が必要になったときにリフォームに踏み切るわけです。こうした故障やトラブルはゴムパッキンの交換や接続部分のナット・ボルトを締め直すといった形で修復することもできますが、「その場しのぎの修復もそろそろ限界だな」と感じたところでリフォームに踏み切るのがよいでしょう。
またトイレの場合、設備が古くなった、もっと快適なトイレ環境にしたいといった理由でリフォームするケースも見られます。ウォシュレット機能やタンクレスタイプなど便利なだけでなくデザイン的にも優れたものが増えており、トイレ環境を一新する機会としてリフォームを行うのです。そのためリフォームのタイミングを見計らうときには自宅のトイレの状態だけでなく、今現在どんなデザインや機能を持ったトイレがあるのか、どんなタイプが人気なのかもチェックしたうえで検討していく必要も出てくるでしょう
キッチンの場合、キッチンの種類を従来のものから別のものに変更するかどうか、変更するためにキッチンの位置を変える必要があるかどうかで費用や工期に大きな違いが出てきます。これまでと同じ場所でキッチンのみを変更・交換するのか、キッチンの位置から変えて環境全体を大きく変えるのか、費用の問題だけでなくリフォーム後の環境にも大きな影響を及ぼすだけに慎重な検討が求められます。
お風呂の場合はタイル貼りの従来工法からユニットバスに変更するかどうかがリフォームにおける重要なポイントになります。大きく分けると「従来工法からユニットバス」「従来工法のままリフォーム」「ユニットバスのままリフォーム」の3通りが考えられるからです。とくにある程度の築年数を経た従来工法の家はユニットバスに変更するかどうかが大事な選択となるでしょう。当然変更する方が費用と工期がかかります。
洗面台の場合、気を付けるポイントは2つ。設置スペースのサイズ確認と電源の取り回しが可能かをきちんと確認することです。現在使用している洗面所の設置スペースのサイズに合っているか確認しましょう。特にもともとの洗面ボウルと異なるタイプに交換する場合は注意が必要です。
電源の取り回しも確認が必要です。ドライヤーやヘアアイロン、電動歯ブラシなどリフォームをした後にどんな用途でどのくらい電源が必要か予め確認しておくことで「電源を増やしてしておけばよかった」などで困ることがなくなります。
トイレの場合、トイレのみを交換・変更するか、内装や収納スペースも含めて全体をリフォームするかの選択肢がまずひとつ。そしてトイレをどんなタイプに変更するかがもうひとつ。もっとも広く普及している組み合わせ型トイレから、一体型やタンクレスタイプに変更するかどうかと選択肢がたくさんあります。
組み合わせ型に比べて一体型・タンクレスタイプはコンパクトなものが多く、トイレ内のスペースにも大きな影響を及ぼします。「トイレがちょっと狭くてリラックスできない」といった悩みを抱えている方はその点も考慮したうえでトイレ選びを行っていくとよいかもしれません。
水回りは日常生活になくてはならない箇所です。生活環境そのものに大きな変化をもたらす可能性もありますのでリフォームの際には家族全員でよく話し合い、みんな納得したうえで決断することが大前提です。
単にきれいになる、空間がおしゃれになる、といった見栄えの問題だけでなく、実際に使用するようになったときにどういう環境になるのかをよく考えることも大切です。家族全員が快適に使えるか、不便な点は出てこないか、10年後、15年後にも問題なく使えるかどうか。小さいお子さんや高齢の方がいる家庭ではとくに将来的な使用環境を視野に入れた検討が欠かせなくなります。
そのうえで「この部分は絶対に譲れない」「この部分は優先順位はそれほど高くない」など、優先順位をつけていくと実際にリフォームを検討する時に迷いにくくなります。
いざリフォームを依頼したときに思いがけない出費の必要が出てくる可能性もあります。水回りの場合、日常生活では目につかない部分に腐食や損傷が生じていることもあり、リフォームの際にはその部分の修理・交換が必須なケースも出てくるからです。そのためプランを立てる際には予算ギリギリではなく、不足の出費も想定したうえで検討していくようにしましょう。
リフォーム工事を行ってもらう業者選びも大切です。ここで失敗すると面倒なトラブルに見舞われてしまいかねません。まず信頼できる業者を選ぶこと。評判はもちろん、実績、連絡場所を確認できるか、そして料金の提示や説明にあいまいな部分がないかをチェックしたうえで判断していくようにしましょう。見積もりを出す際には必ず複数の業者に依頼して価格はもちろん、説明の仕方や態度なども比較検討しておくようにしましょう。