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2019年4月

news 2019年4月
注文住宅の耐震性能と設計時の注意点

注文住宅の耐震性能と設計時の注意点

■ 住宅の耐震性能と基準とは 地震の多い日本だからこそ、家を建てる際には耐震を意識したいところです。近年、大規模な地震が数回にわたり起こり、その際に住宅にも大きな被害が数多くでました。 数多くの住宅が倒壊してしまったのは、耐久壁の量や土台からの柱抜けが主な原因と言われています。 こうした被害状況をもとに、より安全な住まいを維持するため建築基準法の改定が繰り替えされていき、特に耐久壁の量やバランス、補強についての義務化がされるようになっています。 現在の日本の建築基準法は耐震等級1以上の住宅でなければ建てることができません。 ■ 耐震性能と耐震基準について 耐震性能は地震の揺れ、力に耐える性能となります。その耐えられるレベルがどの位なのかで基準を定めたのが耐震等級となり、現在のところ等級は1~3に定められています。 住宅の耐震性能基準は大地震の度に繰り返し変更されてきております。はじめて耐震基準が施行されたのは、関東大震災の翌年1924年となります。その後、大地震が起こる度に耐震基準は改正されてきました。 旧耐震基準では、中程度(震度5程度)の大きさの地震が来ても建物が倒壊せず、地震による被害が軽くすむということを目標とするとなっていました。つまり、当時の基準ではそれ以上の大地震に対する基準は存在していませんでした。 しかし、1981年6月1日に導入された現行の耐震基準では、建築物を新築する際、「震度6強の地震に耐えられる性能」をもたせることが義務化されました。 大地震が起こっても傷一つない建物というのが住宅の理想になると思いますが、ごく稀に発生する大規模な地震に対して全く影響を受けない建物を作ろうとすると、技術的にも費用的にも非常に難しくなります。本来の家・住宅という機能を犠牲にしていしまう程の無理が生じてしまいます。そこで、十年に一回は起こりうる大きさの力に対しては、大規模な工事が伴う修復を要するほどの著しい損傷が生じないことを一つの目標(損傷防止)とし、数百年に一回は起こりうる大きさの力に対しては、損傷は受けても、人命が損なわれるような壊れ方をしないことをもう一つの目標(倒壊等防止)としました。 【旧耐震基準】 (1981年6月1日以前の基準) ・数十年に一度発生する地震(震度5程度)では倒壊や崩壊しない 数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度)に対しては想定が存在しない 【耐震等級1】 (建築基準法の耐震性能を満たす水準) ・数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度)に対しても倒壊や崩壊しない ・数十年に一度発生する地震(震度5程度)は住宅が損傷しない程度 建築基準法で定められた最低限の耐震性能で、これ以下は危険というギリギリの耐震性能です。 【耐震等級2】 ・等級1で想定される1.25倍の地震が起きても耐えられる 構造計算ないし精密診断が必要になります。 震度6強~7の地震でも、一定の補修程度で住み続けられるレベルで、学校や病院などでは耐震性能が等級2となります。 耐震等級2以上は「長期優良住宅」として認められています。 【耐震等級3】 ・等級1で想定の1.5倍の地震が起きても耐えられる 震度6強~7の地震でも、軽い補修程度で住み続けられるレベルで、消防署や警察署などの防災拠点は等級3になっています。 「長期優良住宅」として認められています。   では実際の等級の差はどこで変わってくるのでしょうか? 耐震等級を高める施工方法には、次のような方法があります。 ・壁の強化 ・床と屋根の強化 ・柱と梁の接合部を強化 ・基礎の強化 ・梁の強化 耐震等級2以上の住宅は、地震保険が割引きされるというメリットもあります。 また住宅ローン減税の最大控除額が大きくなり、「耐震等級割引」も適用されます。 耐震等級2では保険料の割引率は30%、耐震等級3では半額になります。 耐震等級3の住宅は地震時に被害を受ける可能性が低かったといいう実績により、割引率が増加しているようです。   ■ 「耐震」と「制振」「免震」の違い 制振(静振)構造 地震の揺れに連動し、建物が逆方向に揺れる事で家の中の揺れを少なくする構造です。 制震構造は、建物の壁や柱などにダンパーと呼ばれる制振装置を設置する事で、地震の揺れを吸収してその力を20~30%ダウンさせるものです。建物にかかる力を抑える事で、ひび割れ等の軽減を行い、倒壊対策としては一定の効果があります。 ただし、制震効果は2階以上の階へ影響を抑制するものとなりますので、1階は地震の力をそのまま受けてしまいます。 免震構造 地震の揺れを建物に直接伝えない住宅のことを「免震住宅」といいます。建物と基礎との間にゴムなどの免震装置を設置する事で、地盤と建物を離し地震の揺れを建物に直接伝えない構造です。建物に伝わる地震の力が軽減されるため、長くゆっくりと揺れることで、建物の損傷や家具が倒れたりしにくい状態をつくります。 コストに関しては3%ほどアップしますが、地震の力は40%~60%軽減されると言われています。 免震装置は隣家との十分な距離がないと設置できないので、狭小地では設置が難しい場合があります。 耐震住宅と制震住宅はのちのちリフォームする事で追加する事も出来ますが、免震に関しては新築のタイミングでしか設置できない構造の為、検討が必要となります。また、他の構造にくらべてコストが割高になる点、メンテナンスも必要な為、継続的なコストも確認した方が良いでしょう。 [blogcard url="/news/1745"] ■ 注文住宅の場合の耐震性能について 各社が基準としている耐震構造ですが、自由設計の注文住宅となると間取りや配置によって大きく変わってきます。 吹き抜けやリビングの広さによっても少しづつ変わってきてしまうものになりますので、耐震性能を重視する場合は、それを踏まえて相談していく必要があります。   ■ 住宅の耐震性能に関するまとめ 現在の日本では建築基準法によって耐震基準を下回る建物は建てられません。また基本的には高いレベルでの基準を標準としているハウスメーカー、工務店も多いです。 しかし、耐震、免震、制震、その他、メリットやデメリットが違ってきます。またコストも大きく変わってくる部分ではあるので、家を建てる上で重視したいポイントを比較して満足いくカタチで建築をされるのが良いかと思います。 [blogcard url="/news/3824" title="高い耐震性能ツーバイフォー工法(2×4工法)とは" content="地震や台風、様々な災害が頻発する日本での家づくり。今回は災害に強く高品質なツーバイフォー工法について、なぜツーバイフォー工法は耐震、耐風、耐火に優れているのか?その秘密を詳しく解説いたします。"]

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